┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
┏┏┏
┏┏ SAAJ近畿支部 メールマガジン 第50号
┏
┌ 発行日:2021年01月08日 発行者:SAAJ近畿支部 ITサービスG
┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌┌
いつもご愛読ありがとうございます。 このメルマガは、近畿支部
メーリングリストへ登録して頂いている方へお送りしています。
_/_/_/_/ I N D E X _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
・巻頭言……………… 契約書の押印文化
・トピック…………… 定例研究会・勉強会情報/他
・特集………………… 本部会報掲載情報
・お知らせ…………… 【重要】年会費納入のお願い/他
・編集後記…………… バランス
■ 巻 頭 言 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
「契約書の押印文化」:福本洋一
新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、昨年は新型コロナウィルス感染症の影響で、飲食店や宿泊施設等の事業者
にとっては想定外の経済的なマイナスが生じた一方で、多くの企業において、こ
れまで遅々として進んで来なかった契約書の押印文化からの脱却といった、DX(
デジタルトランスフォーメーション)の観点からはプラスの側面もあったように
思われる。
私の属している法曹界では、最近になって e法廷といったデジタル化の取り組み
について議論されるようになったものの、現在でも未だに書類に弁護士の職印を
押印して 100枚前後の準備書面や証拠書類をファクシミリで裁判所と相手方代理
人の事務所に送信し、さらにクリーンコピーを紙で裁判所に持参して提出すると
いうことを当然のごとく行っており、DXの取り組みがもっとも遅れた業界の 1つ
である。
実は裁判手続のオンライン申立て自体は、平成16年度の民事訴訟法の改正によっ
て制度としては既に存在しているが、その当時試験的な運用が一部の裁判所にお
いて実施されたものの利用実績が乏しかったという理由で、平成21年 3月にその
試行自体が打ち切られたのである。利用されなかった背景の 1つとして、職印の
押印に代わって面倒な電子署名の付与等が要求されていた点があったと思われる。
現在の法制審議会の民事訴訟法(IT化関係)部会では、過去の反省もあって「裁
判手続のオンライン申立てを原則義務化する」ということが掲げられたが、他方
で「弁護士等の士業者も含め,国民一般に潜在的に存在するオンライン申立てに
対する不安感,抵抗感を払拭する必要がある」ということが真面目に議論されて
いる。老若男女を問わず、スマートフォンを利用して、 Webサイトや eメールの
みならず、チャットや SNS等も日常的に利用しているような時代であるのに・・。
そして、電子契約に関しても、内閣府、法務省、経済産業省の 3省連名で、昨年
の 6月に「押印に関する Q& A」が公表されている。電子契約において押印に代
わる電子署名の要否の議論の前提として、そもそも現行の紙の契約書等の場合で
も押印をもらっておけば証拠として万全と考えていること自体が誤りであり、何
でも書類に押印を求めている現行の押印実務自体がナンセンスである旨が言及さ
れている。実際のオンラインでの取引でも、オンラインショッピング等ではユー
ザのID認証のみで取引を行っており、押印に代わる電子署名等は求めていないわ
けである。
現在においても新型コロナウィルスの変異種も現れてきており、収束の目途は見
えていない状況にあるが、逆に急速なDXの推進の中で、上記の押印実務のように
世の中に蔓延している不合理が見えるようになってきている。コロナ禍において
も、このような非常事態であるがゆえに見えるものに積極的に目を向け、ウィル
スの変異を超えるようなスピードで、人も進化を遂げなければならないと改めて
気を引き締めて、新たな 1年を迎えたい。
本年も引き続き、本協会の活動にご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
■ ト ピ ッ ク ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○定例研究会・勉強会情報:荒牧裕一
・ 1月度定例研究会は、会場でのリアル講演と並行してZoomによる
オンライン視聴も実施します。
1月15日(金)第 187回 定例研究会(ご案内済)
※支部総会に引き続いての開催となります。
・以下については通常通りの開催を予定していますが、事態の推移
を見ながら、あらためて後日ご案内いたします。
2月20日(土)第 70回 システム監査勉強会(準備中)
3月19日(金)第 188回 定例研究会(準備中)
詳しくは本部サイトへ!
→ https://www.saaj.or.jp/index.html
・定例研究会は、会員を中心とした講師によりシステム監査に関係
するテーマについて講演頂く形式を取っています。
原則、奇数月の第 3金曜日の18時半から開催しています。
(12月は、第 2または第 3土曜日にて開催)
・システム監査勉強会は、日本システム監査人協会本部の月例研究
会の内容を録画したDVD を視聴する形式を取っています。
原則、12月を除く偶数月の第 3土曜日の午後に開催しています。
○近畿支部サイト更新情報:金子力造
【研究論文/他】
発表者に許諾をいただいた近畿支部会員の研究論文、研究成果、
活動報告などを収録しています。新規掲載分は下記です。
・「令和 2年度改正個人情報法の概説」 福本洋一氏
~個人データのビジネス利用における法的留意点~
→ https://www.saajk.org/?p=1930
■ 特 集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○SAAJ近畿支部会員の田淵隆明氏の下記コラムが本部会報に連載
『AI時代に負けないために、システム監査人はどうあるべきか?』
筆者が日本の現状を憂いて生じた 3点の疑問を 8つの現況から解
きほぐす連載シリーズが完結。一年に亘り問い続けた真因がつい
に明らかになりました。真因は本文にてご確認ください。
(近藤博則)
詳しくはこちらへ!(11~12月号の会報 PDFが開きます。)
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2020Kaiho/202011_SAAJKaihoNo236.pdf
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2020Kaiho/202012_SAAJKaihoNo237.pdf
○SAAJ近畿支部会員の田淵隆明氏の下記コラムが本部会報に連載
『システム監査のための、順列・組合せ・確率・統計再入門』
集合と論理、順列・組合せ、確率・統計の履修が不足しているこ
とがシステム監査やコンサルティング等の世界に深刻な影を落と
しているとの課題認識から新しい連載が始まります。(是松徹)
詳しくはこちらへ!(1月号の会報 PDFが開きます。)
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2021Kaiho/202101_SAAJKaihoNo238.pdf
○SAAJ近畿支部会員の神尾博氏のエッセイ『陰陽師~第 2章~』が
本部会報に掲載
安倍晴明が活躍した平安時代は、災害や疫病など脅威から守る専
門家として陰陽師がその任にあたっていました。今日のセキュリ
ティ専門家と対比しながらそのプロセスについて考察しています。
(金子力造)
詳しくはこちらへ!(12月号の会報 PDFが開きます。)
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2020Kaiho/202012_SAAJKaihoNo237.pdf
■ お 知 ら せ ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○【重要】SAAJ年会費納入のお願い:福本洋一
すでに本年度(2021年 1月~12月)の請求書が手元に届いていると
思いますが、早めに納入をお願いします。 6月末までの合計振込
金額により、各支部への配分が決定されますのでご協力ください。
○【再録】各種MLの登録アドレス変更手順:是松徹
本部、近畿支部、近畿支部役員会等の各メーリングリストの登録
アドレスの変更手順は、近畿支部サイトに掲載されています。
(新規登録&削除については、入会&脱会に連動していますので
本部サイトをご覧ください。(https://www.saaj.or.jp)
→ https://www.saajk.org/?p=1633
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
この年明けは、曜日の並びから早々に仕事始めの方も多かったので
はないかと思います。新春のニュースでは、今後の明るい展望より
も、残念ながら新型コロナウィルス関連の話題が目を引きました。
昨年一年を過ごす中で周りの風景が変わり、オンラインばやりの世
の中となりました。仕事に限らずプライベートにおいても、対面で
はないコミュニケーションが広く取られ出しています。
私もオンライン飲み会なるものを体験しました。そこでは思いの外
進行が円滑で楽しい一時を過ごす事ができました。対面では近場の
者どうしのやりとりに終始する傾向がありますが、オンラインでは
参加者全員が同時に同じ話題を共有できるのは一つの利点と感じま
した。
一方で、オンラインでは、余白のない対話や人間関係の形成に懸念
があるとの意見が聞かれます。また、オンラインにはなじまない職
種や環境等があり、分断が進んでいるとも言われます。最終的には
対面とのバランスをどう取るかという事になるでしょうか。
さて、本メルマガは、2012年 9月の創刊号から数えて今回で第50号
の発行となります。この間には、支部として創設25周年、30周年を
迎える等の歩みもありました。これからも引き続き、支部活動等に
関する情報提供に努めてまいる所存です。今後とも近畿支部メルマ
ガについて、よろしくお願い申し上げます。(TK)
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
次回の「SAAJ近畿支部メルマガ」もよろしくお願いします!
【SAAJ近畿支部メルマガ】
発 行 日:年 4回( 1月、 4月、 7月、10月)+臨時増刊
発行開始日:2012年09月19日
ご意見ご感想はこちらまで
https://www.saajk.org/?page_id=115
編集責任者 是松徹