2024年支部合同研究会:開催報告

会員番号 0655 荒牧裕一(近畿支部)

【日時】2024年11月9日(土)13:30 – 18:00(研究会) 18:15~20:30(情報交換会)
2024年11月10日(日)9:45 – 11:30(オプショナルツアー・太陽の塔内部見学)
【場所】ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)、およびオンライン(Zoom)
【統一テーマ】「システム監査の活性化~VUCAな社会のリスクに挑む!」
【参加者数】研究会:75名(会場参加25名、オンライン参加50名)
情報交換会20名、オプショナルツアー16名
【研究会概要】

コロナ禍で中断していた西日本支部合同研究会について、北海道支部および東北支部を加えた全支部を対象とした合同研究会に発展させた形で再開した。今回は遠方の会員も参加できるようオンラインを併用したハイブリッド形式の開催形態をとったこともあり、研究会には合計75名もの参加者があった。また後援団体のISACA大阪支部、システム監査学会、JISTA関西支部の会員にもご参加いただけた。
研究会は大きく基調講演と支部発表に分けられ、以下のスケジュールで進行した。

・13:30~14:00【基調講演1】

テーマ:SAAJのビジョンとシステム監査・管理ガイドライン
講演者:会長 松枝憲司氏
1.SAAJのビジョンとミッション
2.2025年度の事業方針(案)
3.2024年の実績と2025年の事業方針

・14:00~15:00【基調講演2 兼 北海道支部発表】

テーマ:電力業界としてシステム監査実施決定およびその後の状況報告について
講演者:北海道支部長 宮崎雅年氏
1.旧電力会社の分社とは
2.分社にあたっての行為規制
3.事案の発端
4.再発防止策
5.システム監査
6.各社の対応状況

・15:10~15:40 東北支部発表(オンライン)

テーマ:『保証型システム監査について』SAAJ東北支部2023年研究会活動のまとめ
発表者:東北支部長 横倉正教氏
1.システム監査の全容と保証型システム監査の位置付け
2.保証型システム監査とは
3.保証型システム監査の契約まで

・15:40~16:10 北信越支部発表

テーマ:経営に資するシステム監査の普及 ~システム監査人に要求されるスキルと人材育成~
発表者:会員 小嶋潔氏
1.システム監査の意義と目的
2.現状のシステム監査の実施状況と課題
3.システム監査の品質水準向上
4.経営に資するシステム監査を実現するための方策
5.経営に資するシステム監査を担うシステム監査人に必要なスキル
6.経営に資するシステム監査を担うシステム監査人の人材育成
7.一般企業、特に中小企業へのシステム監査の普及~システム監査を普及させるためのアプローチ~

・16:10~16:40 中部支部発表

テーマ:SAAJ中部支部初! ITガバナンス監査研修への挑戦
発表者:会員 潤(うるい)正宏氏
1.概要~本研修で挑戦したテーマ~
2.これまでの活動
3.研修の内容
4.振り返り
5.ITガバナンス監査研修(トライアル2)のご案内

・16:50~17:20 九州支部発表

テーマ:デジタル化の加速と新たなリスク~ノーコード/ローコード開発の内製化が招く落とし穴
発表者:九州支部長 舩津宏氏、会員 荒添美穂氏(共同発表)
1.ノーコード・ローコードとは
2.事例公開されているノーコード(ちょっと知識要)アプリ制作
3.ノーコード・ローコードで内製化された事例(Web公開情報)
4.ノーコード・ローコード開発のメリット・デメリット
5.ノーコード・ローコード開発体制で気を付けること
6.リスクの洗い出しと顕在化キャッチのためのシステム監査

・17:20~17:50 近畿支部発表

テーマ:「地方公共団体における監査の活性化」
発表者:会員 藪上(やぶうえ)憲二氏
1.地方公共団体における監査の位置づけ
2.地方公共団体への外部監査導入に向けて
3.監査活性化の前提となる地方公共団体のゼロトラストモデル導入に向けて

【情報交換会概要】

研究会終了後、近くの居酒屋にて懇親会を兼ねた情報交換会を開催した。はじめに基調講演を担当していただいた松枝会長と宮崎北海道支部長からの挨拶があり、その後和やかに歓談した。これまで名前は知っていても実際に会うのは初めてという会員も多く、随所で名刺交換等も行われた。また各支部の近況報告やITガバナンス監査研修の紹介等の情報交換も活発になされた。
おわりに、次回の主催者となる中部支部長の鈴木氏の挨拶と記念撮影の後、散会した。北海道から九州までの会員が集まる場がこれまで少なかったため、貴重な交流の機会であった。

【オプショナルツアー概要】

翌10日(土)は、吹田市の万博記念公園内にある太陽の塔の内部見学ツアーを実施した。会員の家族の参加もあり、参加者は合計16名だった。

【所感

コロナ禍で中断を余儀なくされていた合同研究会を、全国規模に拡大した形で再開してコミュニケーションの場を設けただけでも意義のあることだと感じた。原則として全支部に発表していただいたため発表時間が30分と短くなり、内容面では不完全燃焼の部分もあったかもしれない。しかし、幅広く色々なテーマの話が聞けて楽しかったという意見もいただけたので、一定の成果はあったと考えられる。
特筆すべきは、各発表が全て時間通りに終わり質疑応答の時間も確保できたことである。リハーサルもなくぶっつけ本番で挑んだ中で最大の懸念であった時間管理が滞りなく進んだことに、発表者の皆様に改めてお礼を言いたい。
今後は出来る限り各支部の持ち回りで開催していくのが理想であるが、中には会員の少ない支部もあり、その点をどう解決していくのかも課題である。一つひとつ課題を解決しながら毎年恒例の行事として定着させていきたい。

以上