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┏┏ SAAJ近畿支部 メールマガジン 第69号
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┏ 発行日:2025年10月07日 発行者:SAAJ近畿支部 ITサービスG
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・巻頭言……………… AIソフトの得手・不得手
・トピック…………… 研究会・勉強会情報/サイト更新情報
・特集………………… 本部会報掲載情報
・お知らせ…………… 【再録】近畿支部ML運用ルール
・編集後記…………… 猛獣
■ 巻 頭 言 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
「AIソフトの得手・不得手」:松井秀雄
AI将棋ソフトにプロ棋士が勝てなくなって久しい。プロ棋士とAI将
棋ソフトの公式戦として2012年から2017年まで行われた電王戦の記
録を見ても、子供の頃から天才の誉れ高かったプロ棋士達ですら歯
が立たなかった事が分かる。
一方、詰将棋の世界における将棋ソフトの長所短所を以下に述べる。
因みに、筆者は、中学生時代から詰将棋に深入りし、詰将棋作家の
末席に加えてもらっている。江戸時代から平成23年 7月までの詰将
棋作家 400人を収容した作品集「四百人一局集」に掲載された。
近年、詰将棋を解く面において人間はAI将棋ソフトに敵わない時代
になっている。今年、 3月30日に開催された「詰将棋解答選手権・
チャンピオン戦」( 180分の間に10問を解く)において、他の参加者
(プロ棋士を含めて約百人)が時間切れで全問解けない中、ダントツ
の速さで全問正解された優勝者・藤井七冠の所要時間は 121分であ
った。一方、私のパソコンで同じ問題を解かせた時の所要時間は 1
分31秒であった。単純計算すると、人類最速の所要時間に比べて約
80倍の差になった。
また、将棋ソフトは網羅性のある検討を得意とする長所を活かして
作者が意図した詰手順とは別の手順で詰む余詰・早詰(一種のバグ)
の発見に多大な貢献をしている。 近年、新聞・雑誌等に出題され
る詰将棋に余詰・早詰のバグが無くなったのはその功績である。人
間がやりがちな「見落し」や「錯覚」を防ぐツールとして、その価
値は大きい。この特徴は、ソフトウェア開発時にテスト条件の網羅
性検証や、システム監査おける監査意見と監査証拠の対応関係の検
証に使えるのではないかと期待している。
しかし、詰将棋を解く能力は人間を圧倒する実力がある将棋ソフト
といえども、詰将棋を作る面においては全く実績がないという現実
がある。それは何故なのかを考察する事で、AI将棋ソフトの得手・
不得手を探り、それを敷衍する事でAIが得意な分野と苦手な分野が
見えてくると期待している。
現在の将棋ソフトは過去の対局から得た経験値をもとに、形勢判断
や最善手を示してくれるが、新規性のある発想・構想を捻りだすの
は苦手である。そのため、新しい発想・構想に価値がある詰将棋の
創作が不得手であると思われる。この事からも、人間でなければで
きない分野は当面残ると思われる。
2025年 6月 2日の日本経済新聞に掲載されたチーフAIサイエンティ
ストのヤン・ルカン氏の以下の言葉に共感を覚えた。
『大量の文章から言葉の連鎖パターンを学習し、次にくる単語を予
測する大規模言語モデルには「根本的な限界がある」。インターネ
ット上の全てのテキストを学んだとしても、空間を認識する能力で
は 4歳児に及ばない。本当に必要なのは、落ちるリンゴを見て万有
引力の法則をひらめくことができる知性だ。そのためには自ら世界
を観察して学ぶ、全く新たな設計が必要になる』
■ ト ピ ッ ク ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○定例研究会・勉強会情報:大谷英徳
・今後の予定は次の通りとなっています。
10月11日(土)第 87回 システム監査勉強会(ご案内済)
※今回は第 2土曜日の開催です。
12月20日(土)第 215回 定例研究会(準備中)
※ISACA 大阪支部との共催
なお、11月 1日に中部支部主催で支部合同研究会が開催されます。
詳しくは本部サイトへ!
→ https://www.saaj.or.jp/index.html
・定例研究会は、会員を中心とした講師によりシステム監査に関係
するテーマについて講演頂く形式を取っています。
原則、奇数月の第 3金曜日の18時半から開催しています。
(12月は、第 2または第 3土曜日にて開催)
・システム監査勉強会は、日本システム監査人協会本部の月例研究
会の内容を録画したDVD を視聴する形式を取っています。
原則、2・6・10月の第 3土曜日午後に開催しています。
○近畿支部サイト更新情報:金子力造
【定例研究会報告】
隔月開催の支部定例研究会について掲載しています。
2025/ 5月と 7月開催分の報告を掲載しました。
・ 5月支部定例研究会報告 荒牧裕一氏
・ 7月支部定例研究会報告 大谷英徳氏
【研究論文/他】
発表者に許諾をいただいた研究論文、研究成果、活動報告などを
収録しています。新規掲載分は下記です。
・「システム導入したものの..納得感はありますか?」石田真二氏
・「金融DXの動向について」遠藤正之氏
■ 特 集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○SAAJ近畿支部会員の田淵隆明氏の下記コラムが本部会報に連載
『システム監査のための会計・法律・数学・理科・歴史学再入門』
フランス語に残る20進法的表現、整備新幹線、静電気、ガソリン
税の暫定税率及び消費税の減税方法まで、込み入ったものから軽
いものまで、人に話したくなるネタが豊富です。(近藤博則)
詳しくはこちらへ!(08~10月号の会報 PDFが開きます。)
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2025Kaiho/202508_SAAJKaihoNo293.pdf
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2025Kaiho/202509_SAAJKaihoNo294.pdf
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2025Kaiho/202510_SAAJKaihoNo295.pdf
○SAAJ近畿支部会員の神尾博氏のエッセイ『金霊』が本部会報に掲
載
金霊(かねだま)という精霊は善行を積む者へ金銭が集まり強欲
な者からは去るという霊験を起こす。今はその逆。サイバー空間
も然り。故にシステム監査に活路を見いだしたき。(吉田博一)
詳しくはこちらへ!(08月号の会報 PDFが開きます)
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2025Kaiho/202508_SAAJKaihoNo293.pdf
○SAAJ近畿支部会員の神尾博氏のエッセイ『貉』が本部会報に掲載
小泉八雲の「怪談」には貉(むじな)という位置偽装をする妖怪
が登場する。一方で偽基地局問題。最終目的は金銭や重要情報詐
取。筆者はこの犯罪者集団に対する警告を発する。(阪口博一)
詳しくはこちらへ!(09月号の会報 PDFが開きます)
→
https://www.saaj.jp/03Kaiho/0305kaiho/2025Kaiho/202509_SAAJKaihoNo294.pdf
■ お 知 ら せ ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
○【再録】近畿支部ML運用ルール:近藤博則
支部MLに関する運用ルールを「近畿支部メーリングリスト運用ル
ール【簡易版】」として支部サイトに掲載しています。
双方向の利用が可能な運用ルールです。ルールに則り、支部会員
の情報交換や議論の場としてメーリングリストをぜひご活用くだ
さい。
→ https://www.saajk.org/?p=2226
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
猛暑続きだった今年の夏でしたが、このところ、さすがに秋の気配
が感じられるようになりました。気が付けば大阪・関西万博も閉幕
間近です。当初は来場者不足が懸念されていましたが、何とか盛況
に終わりそうです。
巻頭言ではAI将棋ソフトの得手、不得手に言及し、人間でなければ
できない分野は当面残ると語っています。AIとの関わりはこれから
避けては通れません。AIとどのように向き合うかを一人一人が考え
ていかなければならない世の中となりました。
ところで、今年はクマの被害が多く報道されています。里山の荒廃
や観光客による接近、餌付け等の無責任な行動等からだんだんと人
慣れしたクマが増えているとも言われます。クマは何と言っても猛
獣です。常識が通用しないと考え、出会わないようにすることが最
大の防御との認識が必要に思います。
クマと言えば、「なめとこ山の熊」という宮澤賢治の作品がありま
す。生活のためにやむなく熊を狩りつつも最後は熊に殺められてし
まう猟師が主人公です。またアイヌの祭りに熊送り「イヨマンテ」
があります。子熊から育てた熊を犠牲にして熊の霊を神に送り、熊
への感謝を表すものです。双方からは人と動物との関わり方を改め
て考えさせられると感じた次第です。(TK)
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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